抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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フウセンムシ(風船虫)とは,コミズムシ類(Sigara属)の別名である。日本ではこれまでコミズムシ類は研究の対象にされることがほとんどなかった。今回,滋賀県の田んぼで行ってきた調査で得られた結果を中心にコミズムシ類の生態について紹介する。コミズムシ類はカメムシ目ミズムシ科の水生昆虫であり,主に池や水たまりなどの水深の浅い湿地に生息している。コミズムシ類のうち,6種が田んぼで確認されている。コミズムシ類の見分け方,食性,田んぼのコミズムシ類,田んぼのコミズムシ類の生活史などを解説する。水生のカメムシ目は一般的に肉食性であるが,コミズムシ類を含むミズムシ科は藻類などを食べる草食性であるといわれている。しかしながら,種によっては藻類だけでなく,カ類やユスリカ類の幼虫を捕食する雑食性の可能性もある。滋賀県内の田んぼでは,エサキコミズムシ,ヒメコミズムシ(Sigara matsumurai),ハラグロコミズムシ(Sigara nigroventralis),コミズムシの4種のコミズムシ類が確認されている。