抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,日本のフアッション事業は国際プレゼンスが低いという現象を扱い,その現状を明らかにし,将来展望を描くことを目的とする。本稿は,その中間的なレポートである。ヨーロッパにおけるファッションの「本場」であるパリやミラノ,世界のファッション製品の消費地であるニューヨークで,日本のアパレルやそのブランドについての広告,紹介記事,販売店をほとんど見かけない。一方,ファッション事業は日本の経済政策でも注目されてきており,「知的財産推進計画2005」がひとつの契機となった。そして,「新経済成長戦略2006」には,「魅力あるファッションを創造する」ことを目標に,政策課題として,日本のフアッションの魅力を高め国際発信力,日本のファッシヨンビジネスの国際競争力を強化するとともに,デザイナー及びデザイナーのパートナーとなる人材を発掘し育成,知的財産の利用環境を整えると掲げている。その後,2014年の「日本ファッション産業の海外展開戦略に関する調査」では,「いくつかの企業を除き,現状の日本ファッション企業の海外進出はそれほど進んでいない」として国際プレゼンスの低さを認め,日本のファッション事業はミドル層を狙って海外進出しない限り,成長のしようがないと指摘している。この海外展開戦略調査はファッション商品市場の地球レベルにおける偏在を鳥瞰させる点で意義があった。世界市場で販売可能な製品設計が日本のフアッション事業者に可能であるという前提に立ち,これに激励を与える立場に立つ。しかし販売力強化投資に,アイデア(オプション)提案はあったが,その前提が成り立つかどうかの明快な指摘は見当たらなかった。