抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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我々は,一対の着磁した超電導バルク磁石とこれを励磁する電磁石を用いて直径5mmから10mmの軟鉄球が20mm程度のギャップ中で浮上することを実証してきた。しかしながら,磁性粒子など,より小さな磁性体になると浮上も移動も困難であることが同時に判明した。そこで,磁場空間において磁性粒子が移動できるように本手法を改良することを現在進めている。これまでの研究から,着磁したバルク磁石に着磁時と同程度あるいはやや強い磁場を外部磁場として重畳させると,バルク磁石の遮蔽効果により磁石と空間との境界面における磁場勾配が小さくなることを見出している。今回は,このことを利用した改良を行った。実施した事項は,空芯のヘルムホルツコイルを補助コイルとして追加して用いるもので,一方は電磁石磁場と同方向に他方は逆方向に接続して利用する。これをバルク磁石がその内側に入るサイズで作成し,励磁用電磁石の磁場に重畳させてバルク磁石を着磁させることで,左右に設置したバルク磁石の着磁磁場強度に差が生じるようにした。そして,着磁後のバルク磁石に補助コイルと電磁石の磁場を外部磁場として重畳させていくと,電磁石磁場が着磁磁場以上になるあたりからギャップ空間に傾斜磁場が形成させることを見出した。この傾斜磁場の効果を検証するために,磁性粒子の移動可能性を試みたところ,低磁場側にセットした磁性粒子は外部磁場を重畳させていくに従い高磁場側へと移動することを確認した。ここでは,これら検討結果について報告する。(著者抄録)