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J-GLOBAL ID：201402250204491338   整理番号：14A0476355

ドブガイモドキのグロキディウム幼生の寄生生態

Host Species for Glochidia of the Freshwater Unionid Mussel Cristaria tenuis in Ishigakijima Island, Japan

著者 (6件)： ITOH Toshishige (Enoshima Aquarium, Kanagawa, JPN) ,  KITANO Tadashi (Tokai Univ., Kanagawa, JPN) ,  TOMA Morito (Yaeyama High School, Okinawa, JPN) ,  FUJIMOTO Haruhiko (Yaeyama-shoko High School, Okinawa, JPN) ,  SAKIHARA Ken (Tokai Univ., Okinawa, JPN) ,  KOHNO Hiroyoshi (Tokai Univ., Okinawa, JPN)
資料名： Venus  (Venus)
巻： 72  号： 1/4  ページ： 77-87  発行年： 2014年03月31日 
JST資料番号： L0952A  ISSN： 1348-2955  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 原著論文  発行国： 日本 (JPN)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 2006年に国内で初めて記録された石垣島のドブガイモドキについて,幼生の採集を試み,幼生が寄生している魚種を調査するとともに,実験飼育下で宿主として機能する魚種を確認した。島内の生息地においてプランクトンネットをひき,幼生の採集を試みるとともに,採集した成貝を継続飼育し,放出した幼生を採集した。幼生の殻の形状は亜三角形で腹縁に鉤を持つAnodonta型であり,殻長,殻高,殻幅の平均はそれぞれ221.5μm,228.0μm,108.3μmであった。次に,現場で採集した幼生の寄生を受けていると想定される6魚種(ギンブナ,グッピー,タイワンドジョウ,ティラピア類,オカメハゼ,タウナギ)と,飼育下で放出された幼生を人為的に寄生させた12魚種(コイ,キンギョ,タイリクバラタナゴ,ドジョウ,ヒレナマズ,メダカ,グッピー,タイワンキンギョ,オカメハゼ,タナゴモドキ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ類)を実験水槽内で継続飼育して,魚体から離脱してきた幼生を観察,計数した。その結果,ヒレナマズ,メダカ,グッピー,タイワンキンギョ,オカメハゼ,タナゴモドキ,ゴクラクハゼ,ヨシノボリ類の8魚種より,変態を完了させた稚貝が出現した。寄生期間中に幼生サイズの増大や外形の著しい変化は見られなかった。全離脱数に占める稚貝の出現率は魚種によって差があり,タイワンキンギョ,グッピー,ヨシノボリ類において,特に出現率が高かった。次に,同生息地において採集した6魚種(ギンブナ,カダヤシ,グッピー,ティラピア類,オカメハゼ,タナゴモドキ)を10%ホルマリン水溶液で固定して,魚体に寄生した幼生の状態を観察,計数したところ,グッピーとティラピア類の体に寄生が見られた。寄生は鰓や各鰭のほか,鰓蓋の内側,鰓耙にも見られた。幼生の相対寄生密度および被嚢率はグッピーの方が高かった。石垣島を含むドブガイモドキの生息地においては,その幼生の宿主として,在来種,外来種を含む複数の魚種が宿主として機能している可能性がある。特に,石垣島では,生息する魚の大部分を外来種が占めており,中でもグッピーが主な宿主として機能していることが判明した。このことから,石垣島内における宿主魚類の移入による分布拡大が,ドブガイモドキの分散に寄与した可能性がある。(著者抄録)

シソーラス用語： *二枚貝類 ,  *幼生 ,  *寄生 ,  *寄生動物 ,  飼育管理 ,  生息場所 ,  宿主 ,  石垣島 ,  *動物生態学 ,  飼育実験 ,  *無脊椎動物
準シソーラス用語： Cristaria tenuis ,  *ドブガイモドキ ,  試料採集 ,  飼育試験 ,  生息地

分類 (4件)： 魚類  (FH02020K) ,  魚類以外の水産動物  (FH02030V) ,  異種生物間相互作用  (EE01050A) ,  動物生態学一般  (EE03010W)

引用文献 (24件)：

• Atkins, L. 1979. Observations on the glochidial stage of the freshwater mussel Hyridella (Hyridella) drapeta (Iredale) (Mollusca: Pelecypoda). Australian Journal of Marine and Freshwater Research 30: 411-416.
• D'Eliscu, P. D. 1972. Observation of glochidium, metamorphosis, and juvenile of Anodonta californiensis Lea, 1857. The Veliger 15: 57-59.
• Dudgeon, D. & Morton, B. 1984. Site selection and attachment duration of Anodonta woodiana (Bivalvia: Unionacea) glochidia on fish hosts. Journal of Zoology 204: 355-362.
• Fukuhara, S., Nakai, I. & Nagata, Y. 1990. Development of larva of Anodonta woodiana (Bivalvia) parasitized on the host-fish. Venus (Japanese Journal of Malacology) 49: 54-62. (in Japanese with English abstract)
• Howard, D. 1951. A river mussel parasitic on a salamander. Natural History Miscellanea, Chicago 77: 1-6.

タイトルに関連する用語 (3件)： 幼生 ,  寄生 ,  生態