抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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バラ栽培において,夏季の夜間冷房が温室内の環境要因と,蒸発散量にどのような影響を与えるかを検討した.ヒートポンプは,夜間から翌朝(19:00~7:00)までの間運転した.夜間冷房により,気温,相対湿度,絶対湿度は,対照区と比較して低くなった.ヒートポンプによる夜間冷房で,飽差は対照区よりも高い値で推移した.バラのみかけの蒸発散量と飽差とは,直線回帰で表すことができ,飽差が大きいとみかけの蒸発散量が増加した.4昼夜の試験期間における夜間10時間の平均除湿量は,117 Lであった.夜間冷房中の温室内の絶対湿度の変化による除湿量の平均値は10.6 L,外気から流入したと推測される平均水分量は 15.4 Lであった.ヒートポンプによる除湿量から,これらの水分量を除いた値の平均値90.9 Lが,バラからの蒸発散量と推測した.10株のバラを用いた重量法によるみかけの蒸発散量から推測した,夜間冷房中のバラのみかけの蒸散量の値は平均77.2 Lであり,水分収支法により求めた蒸発散量と1日当たり10.4~20.1 Lの差があり,重量法により求めた夜間のみかけの蒸発散量よりは大きな値であった.重量法によるみかけの蒸発散量は,10株の実測値から1010株の値を推測したものであるため,株によるばらつきの差が両者の値の差に現れたものと推測した.しかしながら,両者の差の値は日中のみかけの蒸発散量よりもとめた変動係数内の範囲内であった.これらのことから,バラ栽培におけるヒートポンプを用いた夏季夜間冷房において,バラの夜間の蒸発散量は増加し,今回の測定では,ヒートポンプによる除湿量の約76~80 %が水分収支法により求めた夜間のバラの蒸発散量に相当した.(著者抄録)