抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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岩手県南西部に位置する胆沢扇状地では,1950年代から1960年代にかけて顕著な森林の分断化がみられ,樹林地がパッチ状に分布している.胆沢扇状地に分布する177箇所の小規模樹林地において,ニホンリス(Sciurus lis)による利用痕跡を調査した結果,109箇所において利用が確認された.つぎに,樹林地利用の有無を規定する要因として,オニグルミの有無,アカマツの有無,樹林地面積,広葉樹林面積,最近接樹林地までの距離,大規模樹林地(10 ha以上)までの距離,樹林地から最近接樹林地までの間に発生させたバッファ内の水田面積率,建物用地面積率,畑面積率,および道路密度の10の環境要因について検討した結果,バッファ内の建物用地面積率を除いた9の環境要因において,ニホンリスによる樹林地利用と有意な連関が認められた.これらの変数を用いてロジスティック回帰分析によるニホンリスの樹林地利用予測モデルを作成したところ,ベストモデルでは,オニクルミの有無および広葉樹林面積の2つが説明変数として選択された.モデルの精度検証のためにリスによる樹林地利用の追加調査を行った結果,予測的中率は75.9%であった.(著者抄録)