抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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リシンのアセチル化はクロマチン構造を調節する重要な機構であり,アセチル化レベルの異常がさまざまな疾患の発症と関連付けられている。リシンのアセチル化修飾によって,ブロモドメインが結合する部位が作られる。ブロモドメインは,さまざまなタンパク質に見いだされる小さい相互作用モジュールであり,ブロモドメインを持つタンパク質の中には転写調節因子複合体のアセチル化に依存した会合の際に中心的な役割をしているものもある。こうした複合体は,会合によって表現型の変化をもたらす転写プログラムを開始することができる。最近,BET(bromodomain and extra-terminal)ファミリータンパク質のブロモドメインに対する強力かつ特異性の高い阻害物質がいくつも発見されたことで,さまざまな疾患領域,とりわけがんの領域での研究活動が活気付いている。がん領域では,BETタンパク質は重要ながん遺伝子群およびアポトーシス抑制タンパク質群の発現を調節している。また,BETブロモドメインを標的とすることで,炎症やウイルス感染の治療となる可能性がある。今回我々は,ブロモドメイン阻害物質の開発の最近の進歩,およびブロモドメイン阻害物質を創薬に応用できる可能性に焦点を当てて解説する。Copyright Nature Publishing Group 2014