抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ヒノヒカリを湿式気流粉砕および乾式気流粉砕で製粉した米粉80%にグルテンを20%配合したパンを焼成し,MRIにより計測された,パンの画像を構成する各ボクセルにおけるT
2緩和時間の相対頻度分布を解析し,米粉の粉砕方法の違いが水の運動性に及ぼす影響を評価した。焼成したパンの水分含量は49から50%でほとんど同じであったが,乾式気流粉砕で製粉した米粉を配合したパンのT
2緩和時間は湿式気流粉砕のものよりも長く,その傾向は焼成後3日目まで保持された。また,米粉と水を混捏した生地でも,T
2緩和時間は乾式気流粉砕で製粉した米粉を用いた生地の方が長かった。以上から,原料米粉の粉砕方法の違いがパンおよびパン生地のT
2緩和時間に反映されることが示唆された。米粉の成分組成のみならず,粉砕方法の違いから生じる微細構造や吸水特性の違いがパンの含泡組織構造や内部の水分子の運動性に影響すると考えられた。また,パンのT
2緩和時間の分布の半値幅は製粉方法によって異なり,従って,パンの含泡組織構造や内部の水分子の運動性は不均一であり,その程度は米粉の製粉方法によって異なることが示唆された。原料米粉の特性の違いがパン生地のみならず製パン工程を経てパンにも影響することが示唆されたため,目的に応じて粉砕方法を選択することで親水性など特性の異なる米粉を調製し,水分子の存在状態をコントロールしたパンを調製できる可能性が示唆された。(著者抄録)