抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本論文は,異なる温度と化学ポテンシャルを持ついくつかの熱浴に接した開放系を流れるすべての電流,または,時間変化の無い外部の機械力により駆動される電流に対する多変量ゆらぎ関係について報告した。いくらかの過渡的挙動の後で,開放系は,アフィニティーと呼ばれる,熱力学的および機械的力によって制御された非平衡定常状態に到達する。基礎にあるハミルトン力学の時間反転対称性は,アフィニティーの値に依存するゆらぎ電流の統計的性質の間に対称関係が存在することを意味する。これらの多変量ゆらぎ関係は,熱力学第二法則と互換性があるだけでなく,線形あるいは非線形応答係数とゆらぎ電流のキュムラントとの間に注目すべき関係があることも意味している。これらの関係はOnsagerおよびCasimir相反関係,および,線形応答を超えたそれらを一般化した関係を含んでいる。古典系,確率系および量子系に対する多変量ゆらぎ関係を導き出す方法を示した。この方法を用いて,多変量ゆらぎ関係を,理想気体の噴出内のエネルギーあるいは粒子輸送,Langevin確率力によって熱浴と結合したハミルトン系内の熱輸送,外部磁場を受ける帯電粒子のBrown運動,および,結合が散乱的アプローチにより行われる多端子メソスコピック回路内の量子電子輸送に対して求めた。(翻訳著者抄録)