抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,企業が行う研究開発や技術開発などにおいて外部資源を広範囲に活用するオープン・イノベーションが学界・実業界を問わず注目されている。しかし,競合企業との差別化という観点からは外部資源への依存の貢献は小さく,その危険性を指摘する論者もある。本研究では,企業におけるコア事業群でのオープン・イノベーションの実践に果たす情報システム(IS)の役割について論じた。そのため,著者らが過去(2007年7月~9月)に実施した質問票調査データを用いて予備的な分析を行った。当該調査は,無作為に抽出された日本国内の上場・未上場企業,計700社の情報システム担当マネジャを対象に郵送方式により行われ,有効回答率は25.9%であった。アウトソーシングの実施率は58.0%であり,そのうち,IS子会社(別会社方式)活用企業は32社,外部ベンダ(外注方式)活用企業は66社であった。そして,コア事業群の遂行にISが不可欠あるいは重大な貢献をするか否かで,IS業務の内外製判断や種々のマネジメントにどのような差異が見られるのか,また,IS業務に関する知識・スキルの維持・向上に対する取り組みについて分析した。その結果,コア事業群の遂行にISが不可欠あるいは重大な貢献をするような場合であっても内製や別会社方式のアウトソーシングが必ずしも選好されるわけではないこと,しかしその場合には情報システム業務に関する知識やスキルを維持・向上しようとする積極的な取り組みがなされていることを明らかにした。