抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最近,化学産業の重大事故が続いており,業界をあげてその対策に取り組んでいるが,これらの事故の調査報告書には,直接原因に対する再発防止対策のみならず,その背景にある安全文化面の原因を追究し,安全文化醸成のための対策まで検討されている。これらの原因を安全工学会の保安力向上センターが進める安全文化診断の各要素に分類したところ,「積極関与」と「学習伝承」に分類されるものが多く見られたが,一方で,要素間にまたがるものも多く,要素間に重なりがあるためと考えられた。そこで,新たにシステムシンキングの考え方を導入し,各要素間の因果関係を考慮した因果ループを提案した。安全文化面の原因がどの要素と関連しているかを因果関係に基づくループとして認識でき,上流の要素に遡って原因検討を深めるとともに,ループ間の関係をもとに安全文化全体を視野に入れた検討が可能となる。(著者抄録)