抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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南海トラフは西南日本の太平洋岸沖に位置するプレート沈み込み境界である。本研究ではこのうち熊野沖に位置する樫野埼海丘周辺において,過去に行われたIODP(統合国際深海掘削計画)による掘削調査並びにJAMSTEC(独立行政法人海洋研究開発機構)による3次元反射法地震波探査のデータを用い,海底下堆積物の物性解析を行った。まず掘削サイト上のP波速度と密度データより初期音響インピーダンスプロファイルを作成し,これに反射法地震波探査データから抽出したウェーブレットを合成して地震波プロファイル初期モデルを作成した。次にこのモデルが地震波探査断面と合致するように音響インピーダンスプロファイルのインバージョンを行い,その結果を3次元反射法地震波探査データ全体に適用し3次元音響インピーダンスデータを得た。更にこの音響インピーダンスデータを空隙率データに変換する事で,樫野埼海丘周辺における海底下の空隙率分布を得た。空隙率は概ね海底面から深度を増すに従い低下する傾向を示したが,一部において空隙率の逆転を伴う空隙率異常域が見られ,この異常域は陸側に向かって発達する傾向を示した。また,掘削サイト上の空隙率異常域中に見られる低空隙率層と,比抵抗並びに自然ガンマ線の検層値とを対比した結果,樫野埼海丘周辺に限定的に分布するチャネル堆積物が存在する可能性が示唆された。(著者抄録)