抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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箱根火山の構造や形成史は,箱根火山が置かれた島弧衝突境界というテクトニックス場を反映した特異なものである。神奈川県全域を覆う火砕流堆積物や東京を含む南関東を覆う降下火砕流堆積物は,箱根カルデラの中にある強羅カルデラの約6万年前の巨大噴火による。箱根カルデラはこの時すでに存在していた。重力測定や温泉ボーリングの結果から,23~13万年前に活動した少なくとも3つの潜在カルデラの存在が推定されている。これらが侵食により連結することで箱根カルデラの原型が形成されたと考えられているが,さらなる研究が必要である。箱根火山の形成史は7期に区分される。カルデラが形成されたのは,第4期(23~13万年前)の北東-南西方向の顕著な引張テクトニクスの時期と第6期(8~4万年前)の北東-南西方向に箱根火山を縦断する左横ずれ断層が活動し,そこに北西-南東方向のプルアパート開口割れ目系が発達した時期である。