抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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東北地方の落雷位置標定システム(LLS)によって計測された1994~2011年の落雷位置標定データを用いて,東北・北陸地方の日本海側における寒候期雷活動の統計的特徴を調べた。この結果,晩秋期(10~11月)は落雷頻度が最も高く,落雷は主に青森,秋田県の海上から沿岸部で多く発生する。厳冬期(12~1月)には落雷域が山形,新潟県の沿岸部まで南下し,正極性落雷や大電流落雷の発生割合が高い。晩冬期(2~3月)は落雷頻度が最小であり,落雷域は山形,秋田県沿岸部まで北上する傾向にあった。ERA-interim再解析データを用いた解析から,発雷日には日本海上に低圧部があり,東北・北陸地方が気圧の谷の南側に位置していた。さらに,落雷頻度分布の季節変化は対象地域の地上風系に関係することがわかった。晩秋期の発雷日には日本海上で西~南西寄りの風が卓越し,青森,秋田県北部の沖合から沿岸部に風の収束域が形成されるが,厳冬期には北風の成分が強くなり,収束域は新潟県沿岸部まで南下する。さらに晩冬期には北風成分が弱まりをみせ,再び収束域が北上する。この傾向は,季節による落雷域の南北移動の特徴に類似する。(著者抄録)