抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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同定されてない荷電トリガー粒子の方位角とそれに付随する種々の荷電粒子(同定されてない粒子,π中間子,K中間子,陽子,反陽子)との方位角との間の方位角差ΔΦに関する角相関を,5.02TeVの核子-核子重心系エネルギーでのp-Pb衝突におけるALICE検出器で,0.3<p<sub>T</sub><4GeV/cの横運動量範囲で測定した。トリガー粒子当たりの付随粒子収量として表わした相関を,擬ラピディティー範囲|η<sub>lab</sub>|<0.8で求めた。長距離相関のΔΦ依存性からフーリエ係数を抽出し,4つの事象多重度クラス(高い多重度から低い多重度に向けて,0~20%,20~40%,40~60%,60~100%と分類した)の区間でp<sub>T</sub>の関数として表わした。高多重度事象では,陽子に対する2次の係数v<sup>p</sup><sub>2</sub>は,π中間子に対するv<sup>π</sup><sub>2</sub>より約p<sub>T</sub>=2GeV/cまでは小さかった。ジェットによる相関を減らすため,低多重度事象で測定された前トリガー収量を高多重度事象から引き去った。すべての粒子種について,2つの尾根構造が観測された。この構造のフーリエ分解により,π中間子とK中間子に対する2次の係数は似ていることがわかった。v<sup>p</sup><sub>2</sub>は,v<sup>π</sup><sub>2</sub>より低いp<sub>T</sub>では小さく,逆に高いp<sub>T</sub>では大きくなり,その交差は約p<sub>T</sub>=2GeV/cであった。これは,重イオン衝突で観測された楕円フローパターンと定性的に似ていた。低い横運動量での質量順序効果は,集団膨張系を仮定した流体力学模型計算からの予測と無矛盾であった。