抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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地震・津波起源のタービダイトの認定基準は,現世で観察されたタービダイトの特徴から確立される。2011年東北地方太平洋沖地震・津波の発生後,三陸沖海底では多くのイベント堆積物が観察されている。それらの表層堆積物の柱状試料の採取し,その特徴を詳細に検討した。イベント堆積物は下位層との境界がシャープである。層厚は水深1800m以浅で2-10cm程度の薄層であり,海溝斜面では数mm~十数cm,海溝軸では数十cmに及ぶ。水深が深いほど,複数枚のレイヤーが癒着して産出する。岩相記載,放射性同位体分析,分布域から,採取されたイベント堆積物は,A:重力流堆積物もしくは津波によって擾乱を受けた堆積物,B:本震時の地震・津波に伴うタービダイト,C:ごく最近堆積した小規模タービダイト,の少なくとも3種類に区別される。この地震の直後に発生した混濁流は,津波によって特定の水深の海域において巻き上げられた堆積物から発達し,流下した可能性が指摘される。このシナリオに基づいて,非定常混濁流モデルを作成し,津波起源混濁流の発生条件や流下中の混濁流の挙動について検討を行った。