抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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桂試験地において,土壌中の水や溶存物質の移動,広域汚染物質の貯留に寄与すると考えられる,土層の分布様式や火山灰を主要母材とする土壌の物理性について,詳細な調査・分析を行った。土層厚に関しては,遷急線より下方の斜面に位置する谷頭凹地の上流側~谷頭斜面においては3mを超える厚い表層土層が線状に分布し,右岸側の遷急線より上方の斜面に位置する上部谷壁斜面・上部谷壁凹斜面においては,広い範囲で土層厚が4mを超えていた。これに対し,開析の進んだ左岸側の頂部斜面・上部谷壁凸斜面や両岸の下部谷壁斜面においては,表層土層が1m以下の地点が広く分布していた。風化層厚は流域全体に1m以下の地点が広く分布しており,厚い風化層は右岸側の遷急線より上方の斜面に位置する頂部斜面・上部谷壁斜面・上部谷壁凹斜面に分布していた。土壌の一般物理性に関して,遷急線より上方の斜面では上部谷壁凸斜面を除き容積重が小さく,全孔隙率が高く,レキ量が非常に少ないのに対し,遷急線下方の斜面では容積重が大きく,全孔隙率が低く,レキ量が比較的多いことが明らかになった。保水機能に寄与する有効孔隙率は,遷急線より上方の頂部斜面で特に高い値を示すのに対し,遷急線下方の斜面では低い値を示し,レキ量の多寡が有効孔隙率に影響を及ぼしていると考えられた。土壌の浸透能に寄与すると考えられる飽和透水係数は,10
-4~10
-5ms
-1オーダーの値を示し,微地形との明瞭な対応関係は認められなかった。(著者抄録)