抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Alvarezレンズは構造が簡単であるが,焦点距離の可変域が大きいので,数十年前にその概念が提案されてから注目され,このレンズの特性が理論的に研究されてきた。しかし,微小加工技術が進歩する最近までは,このレンズを実際に作製するのは非常に困難であった。2000年に,フォトリソグラフィー技術に基づく屈折型のAlvarezレンズが初めて開発され,急速に発展してきた。本稿では,微小電気機械システム(MEMS)駆動のAlvarezレンズの調整許容度と最適設計に関する研究結果を報告する。Alvarezレンズでは,2個のレンズを水平方向にシフトさせることによって焦点距離が調整できるという特徴を持つ。このように,Alvarezレンズは2個のレンズによって構成されているので,これらの構成要素の配置調整の不備による誤差を避けることができない。従って,Alvarezレンズのイメージング特性および調整の許容度を研究し,最適な係数の選択は非常に重要である。先ず,Alvarezレンズの動作原理を説明するためのモデルを設定する。次に,MEMS駆動のAlvarezレンズによる画像特性について述べる。レンズの表面プロフィルを表す主要な定数を0.15mm
-2,そして2個のレンズの最大変位距離は0.50mmに設定した。シミュレーションによって得られた結果から,構成レンズの変位が増すと,Alvarezレンズの性能は低下し,主な光学収差は球面収差,焦点ぼけ,およびコマ収差であることが分かった。また,レンズの性能は,y方向における不整合に対して非常に敏感であることが分かった。許容度を,規格化されたRMSスポット半径の10%として定義した場合,y方向の不整合は0.01mm以下,また,任意の軸に関する傾斜角は1
°以下に抑える必要があることが分かった。新しい係数選択方法の採用によって,レンズの性能は大幅に改善され,変位の増大に伴う劣化の傾向は著しく緩和されることが分かった。