抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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自動車用ディーゼルエンジン過給機として,排ガス中のPM,NO
x低減のため,可変ノズル(VG)ターボが普及している。これにともない,2000年直後からノズル励振によるタービン翼車振動破損が多く見られるようになった。この対策については,本誌2009年2月号で概説したが,さらに,最近5年間のラジアルタービンの翼振動に関する技術進展を,世界各方面から発表された論文により,ミスチューン翼振動を中心に,ターボ設計者の立場から紹介した。VGタービン翼振動技術の動向として,VGノズル小開度の場合,励震源である流出速度・角度および端面隙間漏れが共に最大となるとするCFD研究結果,ディスク連成振動とノズル励振に関するFEM解析結果,を紹介した。ミスチューン翼振動の解明のため,翼車外局部でNSMS(非接触光センサ方式)を使用して計測するTip Timing法による全翼計測,製作誤差による翼固有振動数のバラツキが数%であっても共振応力(振幅)は設計値の2倍にも達するミスチューンの特長と傾向,FSI(流体構造連成解析)によるミスチューン翼振動解析フロー,等の研究を紹介した。ミスチューン解析の新しい試みとして,3Dスキャンによる幾何学的ミスチューンの研究,ヤング率のバラツキを考慮した振幅倍率の研究,等を紹介した。今後,さらに,ミスチューンにおける翼車鋳造結晶とヤング率の関係,空力減衰率の簡便かつ高精度推定法,翼の疲労亀裂成長と寿命推定,等の課題について注目していることを述べた。