抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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乳児が生後1か月までヒト乳汁は重要な栄養源であり,子宮外妊娠の際に栄養源および免疫的保護作用をすることが報告されている。最近の進歩により泌乳が哺乳動物生殖の重要な特徴であるとの理解が深まった。脂質類はヒト乳汁中炭水化物に次ぐ第2の成分である。しかし,長い間エネルギーおよび必須脂肪酸の給源としても報告されている。ここでは,ヒト脂質の通常ではない複雑性についてヒト乳汁および,消化および吸収に対するその意味に焦点を当ててヒト乳汁脂質小球の構造について概説した。筆者は結論として,哺乳動物の乳汁成分は大きく変化して,ヒトを含めたすべての種類は同様に乳汁脂質を分泌するが,その高度に特徴化された脂質球は独特な物理化学的,栄養的,および免疫学的特性を有する複雑な膜構造により囲まれたトリアシルグリセロールの核を有している。乳脂肪球膜(MFGM)は天然乳化剤として作用しているが,乳汁中にのみ検出されるこの多層構造は乳児にグリセロリン脂質,スフィンゴ脂質,および蛋白質などの重要な成分を供給している。さらに,MFGMは重要な成分を保護するために,消化の胃および腸管での消化速度および部位を制御している。さらに核のトリグリセリドはエネルギーおよび必須脂肪酸類を提供して,さらに,吸収および消化を最適化するために独特に配列されていると説明した。