抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高度130-170kmの電離圏において昼間に発生する「高度150km沿磁力線不規則構造(FAI)エコー」は,赤道域に設置されたVHFレーダーによって1960年代以降,観測されてきた。本研究では,2007年8月から2009年10月までに,インドネシアの赤道大気レーダー(EAR)によって昼間に観測された150km FAIエコーのドリフト速度の統計解析を行った。このデータと経験モデルから得られたF領域プラズマ・ドリフト速度及び,ヒカマルカISレーダーによる観測結果との比較を行った。その結果,150km FAIエコーの磁力線直交上/南向きドリフト速度は,午後において減少することが明らかになった。この傾向は,F領域プラズマ・ドリフト速度の場合と一致する。一方,150km FAIエコーの西向きドリフト速度は,昼間において時間とともに減少する傾向があり,ヒカマルカの非干渉散乱レーダーで観測されたF領域プラズマ・ドリフト速度が示すような正午付近の極大は顕著ではなかった。150km FAIドリフト速度の大きさは,F領域プラズマ・ドリフト速度と比較し,平均で鉛直成分は約3m/s小さく,東西成分は25m/s小さいことが明らかになった。この違いを,電場生成領域であるE領域の,磁気緯度による違いで説明するのは難しく,高度150km付近で生成される局所的な電場が影響している可能性が考えられる。(著者抄録)