抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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夏期に温度躍層が形成される日本周辺海域で人工的に湧昇流を発生させて海域の基礎生産力を高めるために,鹿児島湾口部を設置候補海域と想定して海洋調査を実施した。水深が約70mの本海域では,栄養塩は概ね海面付近で少なく,海底付近で多いこと,密度は深度に対してほぼ直線的に変化していること,有光層は海面から約40m程度までであることがわかった。可視化水槽実験を実施して密度成層が海底構造物により誘起される人工湧昇流に及ぼす影響を検討した。直線的な密度勾配の場合,リチャードソン数が高いほど湧昇流の上昇は低く抑えられた。構造物の形状では,X型とV型はほぼ同じ程度,山脈型はやや低い湧昇流となった。二層密度流では,湧昇流は上下層の界面波動に大きく影響され,概ね界面の下方に留まった。界面波動は内部フルード数が約0.8程度の時に最も変動が大きくなった。密度成層流では構造物により誘起された湧昇流は周囲流体よりも密度が高いため上昇が抑制され横方向に広がった。実海域に海底構造物を設置するためには,広範囲のリチャードソン数や構造物形状についての実験と相似則の検討等の基礎的な研究を行い,定量的な評価を実施する必要がある。