抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
異なる2つの金属協働触媒を用いた反応はそれぞれの金属を巧みに操ることで単一の金属触媒では達成困難な反応性および選択性の発現を期待できるため有用な手法である。本報では近年報告されたパラジウム/金協働触媒反応について紹介した。1)2008年,Blumらはパラジウム/金協働触媒を用いたアルキンのカルボスタンニル化を報告した。この反応はパラジウム触媒によるアルキンへの有機金種の付加と,生じたビニル金種とBu
3SnPF
6のトランスメタル化反応によって進行する。2)2013年,Casares,Espinetらはパラジウム/金協働触媒を用いたMigita-Kosugi-Stilleカップリング反応を報告した。アリールスズ化合物と種々の金錯体とのトランスメタル化における金触媒の効果は顕著であり,添加しないとパラジウムへのトランスメタル化は進行しない。3)2009年,Blumらはパラジウム/金協働触媒による,アレンを基質とした置換ブテノリドの合成法の開発に成功した。また,パラジウム/金協働触媒系を用いて,ortho-位にアルキン部位を有する安息香酸アリルからイソクマリンの合成が可能であることを示した。