抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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世界の各地で地下水のヒ素汚染が環境上の問題となっている.地下水中のヒ素は亜ヒ酸(As(III))およびヒ酸(As(V))として存在する.本研究では,ヒ素の吸着剤としてγ-Al
2O
3を用いて,As(III)/As(V)混合水溶液からのAs(III)とAs(V)の競争吸着について検討した.As(III)の除去性能を向上させるために,MnO
2によるAs(III)の酸化作用を検討した.γ-Al
2O
3にMnO
2を添加することにより,吸着操作時にAs(III)を酸化してAs(V)として除去することを試みた.Asの除去率におよぼすpHの影響,MnO
2からのMn
2+の溶解挙動およびAs(III)の酸化吸着速度について検討した.混合水溶液からの除去試験により,As(III)とAs(V)の競争吸着が生じてAs(V)が優先的にγ-Al
2O
3に吸着されることがわかった.γ-Al
2O
3にMnO
2を添加することにより,As(III)の除去率は増加した.MnO
2によるAs(III)の酸化反応が生じて,γ-Al
2O
3に吸着しやすいAs(V)として除去されたと考えられる.As(III)の除去に伴うMn
2+の溶解量はpHの上昇に伴って減少した.pH 6以上では水溶液中にMn
2+を残留させずにAs(III)を酸化吸着することができた.As(III)の酸化反応により生成したMn
2+がMnO
2に吸着されたためと考えられる.MnO
2によるAs(III)の酸化速度はγ-Al
2O
3によるAs(III)とAs(V)の吸着速度よりも遅い.(著者抄録)