交通投資の費用便益分析においては利用者便益等の直接便益のみを計測するのが世界の主流である。最近になって,イギリスでは交通投資の幅広いインパクト(Wider impacts of transportation)として,間接便益の計測を試みる先駆的な取り組みを始めている。イギリスで計測されているのは,集積の便益,不完全競争市場における生産増加の便益,労働市場へのインパクトによる便益の3つである。本研究では,イギリスで用いられている推定手法を紹介し,その理論的な妥当性を検証するとともに,主要パラメータの推定値についての検討も行う。(著者抄録)