抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
JIS(K 2241)の切削油剤には,不水溶性(4種)と水溶性(3種)が分類されている。切削油剤のもつ機能の両立しない関係にある潤滑性と冷却性も,水溶性の切削油剤にあっても不水溶性並みの潤滑性をもったり,不水溶性にあっても水溶性に匹敵する冷却性をもつものがある。日本国内における切削油剤の不水溶性と水溶性の出荷量の比率は,1990年頃の約2:1から2005年頃の1:1まで変化して以降の現在まで大きな変化はない。1999年に制定のダイオキシン類対策特別措置法と2000年の塩素含有切削油剤を削除したJIS改正を機に,塩素系潤滑添加剤の自粛,塩素フリー化が95%以上まで進んでいる。不水溶性切削油剤の高い引火点への引き上げが,大震災の防災や加工現場の安全対策上,粘度が高いほど引火点の高い傾向の鉱油から,エステルを基油とする切削油剤も増えてきた。被削性が悪いチタンの加工に使う切削油剤にあって,工具寿命の大幅延長も可能な進んだものが上市されている。海外における切削油剤の動向を述べた。日本と比べ高い傾向にある希釈水の全硬度や陰イオン濃度への対応のため,現地日系企業の多くは,硬質成分や陰イオン除去装置を設置している。中国における切削油剤の動向には,環境保護のためのCOD,BODなどの大幅低減やリン,ホウ酸規制に加えて,水溶性の安定性を図るべく廃水処理が難しいアニオン系界面活性剤を多用するケースが多い。その他の国でも,化学品に対する規制を強化する傾向にある。