抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本報告書は,瑞浪超深地層研究所計画において第1期中期計画(平成17~21年度)および第2期中期計画(平成22~26年度)の中で行われた,地表から深度500mまでの「研究坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)」と「研究坑道を利用した研究段階(第3段階)」の地球化学研究の成果を取りまとめるものである。第2段階の調査研究では,「地表からの調査予測研究段階(第1段階)」において構築された地球化学モデルの妥当性を確認するとともに,施設建設が周辺の地球化学特性に与える影響の観測とそれに基づく今後十数年程度の将来予測を行った。第3段階の調査研究では,研究坑道で利用する調査技術として地下水の酸化還元電位の計測技術,コロイド/有機物の調査技術の開発を行った。深度500mまでの調査研究の結果,堆積岩および花崗岩における施設建設,維持管理時の水質変化が,塩分濃度の異なる地下水の混合状態の変化に起因することが明らかになった。また,研究坑道周辺の地下水の水質が将来的に花崗岩浅部の地下水の組成に変化していくことが明らかになった。これらの結果に基づき,第1段階および第2段階の調査に関わる留意点として,地球化学特性の擾乱に関わる高透水性の地質構造に焦点を当てたモニタリングの考え方や多変量解析の有効性を提示することができた。今後は,研究坑道の閉鎖時や閉鎖後の地球化学特性の変化について観測事例を蓄積し,予測解析技術をより高度なものとして構築していくことが課題である。(著者抄録)