抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中国市場は先行き不透明感が台頭しており,多国籍企業(TNCs)の中には投資を抑制したり,投資先を他国に求めることを検討する企業が出はじめている。他方,グローバルな製造・販売拠点の中核として現地化経営を積極化させている企業も少なくない。日本のTNCsにとっては,オパチュニティ(好機)とスレッツ(脅威)が相半ばする中国市場環境ではあるが,成長を志向する企業であれば,環境がもたらすスレッツを回避しつつ,13億人市場のもたらすオパチュニテイを志向する経営を目指すべきであろう。そこで,中国の主要エリアに位置している日系企業を訪間・調査し,現地経営の実態を把握するとともに,その経営内容について検討した。その結果得られた,中国における日系企業の経営から導かれる現地経営の課題を以下に集約し,整理する。1)中国西部フロンティア地域へのアプローチ:中国経済の今後の発展は,東沿岸部から内陸部・西部に向けて誘導されるように思われる。したがって,これらの潜在市場のオパチュニティに対する経営資源を用意すべきであろう。世界の工場というよりも,世界の消費市場として捉え,マーケティングする必要がある。2)経営現地化の強化:世界の消費市場たる中国市場でプレゼンスを高めるには,経営の現地化が必要不可欠である。3)経営のマジョリテイを重視:経営のマジョリテイを占める一般作業職を重視し,欲求階層説でいえば,安全・安定・経済に対する欲求から欲求次元を引き上げ職務拡充を試みる方向での取り組みが有効である。4)労使関係の成熟化:労使関係の成熟化という点では,健全な工会リーダーを育成し,労使協議,労使交渉,利害調整,苦情処理,争議行為のルール化などの場を労使で設けるなど,日本型労使関係モデルの移入を検討する必要がある。