抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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岐阜県は,変化に富んだ地形と気候に基づいて多種多様な生物が生育している。現在までに,岐阜県の自然に関する書籍・論文は数多く発行されているが,これらを統括した地域生物学の書誌学的研究がこれまで十分になされてきたとは言えない。そこで,著者らは岐阜県を中心とした東海地方の生物について記述されている書籍・論文を基とした岐阜県内の生物学関連文献データベースの作成を目指している。今回は,岐阜大学の蔵書調査により抽出された30冊の文献から地域植物学文献データベースを作成した。データは,様々な項目を設定・分類して多方面からの情報検索を行うことができる形にし,理科教育の現場および植物研究の際にも使用できるものとした。作成したデータベースの内容を解析した結果,書誌の分類要素は多岐にわたったが,どの文献も「植物研究」「自然保全」「地域性」「花を愛でる」「教育・啓発」の5つの要素が複数組み合わさった性質を持っていることがわかった。なかでも「教育・啓発」の要素を持つ書籍は多く,教育関係の者や機関からの出版物が多く,読者の興味関心を育むための教育的・啓発的な配慮がなされていることが明かであった。地域の自然に関する書籍の執筆および発行は‘その地域の学校の先生の熱意’に依るところが大きい。大学教育学部において自然教育啓蒙活動を引率する人物を育成することは,これからの理科教育の充実と発展にむけた重大な責務であると考える。(著者抄録)