抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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理論とシミュレーションの目的は現象の完全予測にあり,正確な予言こそがその使命である。化学の世界の支配原理はシュレーディンガー方程式であるので,これを正確に解くことができれば,化学現象を正確に予測することができる。2000年以降,中辻によりその正確な一般的解法がはじめて発見され,その理論体系は自由完員関数法(FC法)としてまとめられた。さらにその変数の決定にあたって,分子上に採ったサンプリング点でシュレーディンガー方程式が成り立つ必要条件:Local Schroedinger Equation(LSE)法を用いることで,任意の原子・分子系にも適用することができる。我々は,超並列計算機TSUBAMEのグランド・チャレンジ利用によって,幾つかの簡単な有機化合物のシュレーディンガー方程式の解を計算し,絶対エネルギーとして化学精度(kcal/molの精度)を満足するシュレーディンガー解を得ることができた。計算の律速部分である波動関数の反対称化計算は,計算負荷が等価なサンプリング点の分配により各プロセスに均等に分散することができる。実際に,TSUBAMEの4600コアを用いたテスト計算では,111.5%の高い並列性が得られた。これらの成果は基礎科学として重要な意義を持ち,今後,化学現象の理論予測に応用する計算化学技術の確立に繋げたい。(著者抄録)