抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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機械は,その機能の多くが要素表面の形状や要素間の接触や連結により創成されている。本講座では,代表的な機械要素の幾何学形状の特徴およびその形状を具現化するための工夫について紹介してきた。これまでに,歯車を取り上げ,その加工方法や測定方法を説明した。今回は,正しい形状の具現化の方法やその精度の指示について説明する。機械の機能は,理にかなった形を利用して計画され,図面に線や記号・数値として示された情報をもとに,必要な精度を確保して製作することにより実現される。そのため,機械加工学分野においては,設計された部品を精度良く効率的に加工して具現化することが最も重要となる。製品の部品を作る一般的な方法には,材料から不必要な部分を除く,材料を塑性変形させる,個々に加工した部品を結合させる,の3つがある。機械加工の精度については,冷厳な母性原理が存在する。それは,加工された部品(子)の精度は,その加工に用いた工具と工作機械(親)の精度よりも良くはならないというものである。さらに,実際の加工では,加工時に発生する力(切削力)によりワーク(被削物)が弾性変形をする。また加工中に発生する熱によってワークが熱膨張し,加工後にくぼみが生じる。これらの変形のために,機械の加工運動に補正を与えたり,機械加工された部品に手作業で仕上げを追加したりして精度を向上させる工夫が必要となる。また,モノを作るための,形や大きさを伝える情報伝達媒体として図面を用いる。しかし,図に指定された形状を,一切の誤差なく実現することはできないので,指定した寸法に対して許容される誤差の範囲を指定する。これを,寸法公差と呼ぶ。製作された部品にどれだけの幾何偏差があるかは,それぞれの幾何公差に対応する検証原理に基づいた測定を行って定量化する。マザーマシンや定盤上で測定するのが一般的であるが,最近では接触式・非接触式の三次元測定機も活躍している。