抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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イオンクロマトグラフィー(IC)を用いる海水中の微量無機陰イオン[ヨウ素酸イオン(IO<sub>3</sub><sup>-</sup>),臭素酸イオン(BrO<sub>3</sub><sup>-</sup>),臭化物イオン(Br<sup>-</sup>),亜硝酸イオン(NO<sub>2</sub><sup>-</sup>),硝酸イオン(NO<sub>3</sub><sup>-</sup>),ヨウ化物イオン(I<sup>-</sup>)]の同時定量法を検討した.分離カラムとしてドデシルアンモニウム陽イオン(DA<sup>+</sup>)を平衡吸着させた逆相系C18シリカカラムあるいは逆相系C18ポリマーカラム,溶離液として0.5 mM塩化ドデシルアンモニウム(DAC)と5 mMリン酸緩衝液を含む高濃度塩化ナトリウム溶離液(pH範囲: 2.0~6.5)を用いて目的イオンの分離を検討した.ポリマーカラムではアルカリ領域(pH範囲: 7.0~10.0)でも検討した.測定には紫外可視検出器(測定波長225 nm)を用いた.逆相系C18シリカカラムでは,溶離液のpH 4.5以上で純水中の各イオンの良好な分離・検出が得られた.人工海水中の各イオンについても海水中の共存塩分の影響もなく良好な分離・検出が得られた.この陰イオンの分離は,ドデシルアンモニウム陽イオン(DA<sup>+</sup>)吸着-C18シリカとの静電的な引力とNHプロトンによる水素結合により達成された.一方,逆相系C18ポリマーカラムでは,pH 2.5以下で6種のイオンの分離は可能であったが,NO<sub>2</sub><sup>-</sup>の検出は不十分であった.人工海水中の各陰イオンの分離・検出は不十分であった.逆相系C18シリカカラムを用いた測定システムの最適化により,人工海水中の上記6種イオンを1サンプル25分で測定可能であった.高濃度塩化ナトリウム溶離液はDACのカラム吸着を増加させた.0.5 mM DACの添加は陰イオンの分離性能の維持に有効であった.良好な繰り返し測定精度[相対標準偏差(RSD)<1.24%(n=5),保持時間,ピーク高さ,ピーク面積]と検量線作成(r<sup>2</sup>>0.999,ピーク面積法)がすべての陰イオンに対して得られた....(著者抄録)