抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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標的型攻撃に用いられる悪性文書ファイルの多くには実行ファイルが埋め込まれており,我々はMS文書ファイル(Rich TextまたはCompound File Binary)の構造を検査することで悪性文書ファイルを検知する手法を提案した。この手法はファイルフォーマットに依存しており,悪性PDFファイルの検知に対応していなかった。本論文では,PDFファイルに構文解釈できない部分,表示内容と関係しない部分が含まれる等の特徴がないか構造を検査することにより,実行ファイルが埋め込まれた悪性PDFファイルを検知する手法を提案する。実行ファイルが埋め込まれた悪性PDFファイル164個に対し実験した結果,99.4%を検知することができた。ファイル構造は攻撃者の意志で変更させることが困難であることから,提案手法は長期にわたり有効である。(著者抄録)