抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本特集では,オブジェクト指向言語のなかで,その「書きやすさ」から世界的に人気があるRubyの最新動向を紹介する。第4章では,RubyのWebアプリケーションフレームワーク(WAF)である「Ruby on Rails」(Rails)について紹介する。Rubyが世界的に普及した要因は,RailsというWAFの活躍にあったとされる。Railsは,Rubyで書かれたWAFであるが,2004年に公開されたRailsは,WAFの流れを変えたとされる。WAFは,CGIを使ったアプリケーション開発の手法である。この手法は,開発が非常に単純で,OSに依存しない高いポータビリティを確保でき,世界中からサービスを利用できるという利便性から,Webアプリケーション開発の主流となった。そして,簡易なアプリケーションはPerlやPHPなどのスクリプト言語で,本格的なアプリケーションはJavaで開発されることが多かった。これに対し,Railsは,「Javaの10倍の生産性」,「15分でブログを作るデモ動画」などのキャッチーな宣伝で一躍有名となったのである。Railsの特徴である,メタプログラミングは,Rubyの言語的特徴と強く結びついている。たとえばスクリプト言語の中でも比較的動的な特性が少ないPHPでは,Railsのように既存のクラスに対して自由にメソッドを追加することができなかった.また,Railsでの「設定」は,Rubyで書かれたコードそのものも含んでおり,ドメイン特化言語(DSL)の影響下にあるといえる。このような意味で,RubyでなければRailsは,今のようにはならなかったと言える。2015年現在においても,Railsは代表的なWAFの位置を確保し続けており,それが,Rubyが最も利用されている応用分野がWebアプリケーション開発領域である理由でもある。