抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年,再生可能エネルギーへの関心が高まり系統内への大量導入が進んでいる。一方,電力事業者は良質かつ低廉な電力を常に安定して供給しなければならないため,今後,電力需要と再生可能エネルギーを含めた発電量の需給バランスを調整する必要がある。このため,電力事業者は系統内需要負荷量から系統内での太陽光発電(PV)等による発電電力を差し引いたネット需要を予測する必要がある。従来の研究では,ネット需要の予測は電力需要予測とPV設備の発電電力予測の2つの手法に分別して進められてきた。しかし,最終的なネット需要予測の予測誤差は,電力需要予測の誤差とPVの発電電力予測の誤差を足し合わせたもので与えられることになる。その結果として,ネット需要予測の誤差が大きく出てしまう可能性が考えられる。しかし,ネット需要を1つの予測対象であると考える場合,PVの発電量の変動は電力需要の変動によって多少平準化される。加えて,予測モデルも1つに統括される。そこで,本稿では,予測対象をネット需要に日負荷曲線とし,ネット需要の予測手法として品質工学の分野で用いられているMT(Mahalanobis-Taguchi)システムの中でも予測手法として開発されたT法を用いた予測手法を提案し,その予測精度について従来法として幅広く電力需要予測に一般的に用いられている重回帰分析と比較検討した。その結果,T法を用いた場合,1時間平均の予測誤差の絶対値平均(MAPE)で0.83%,平均絶対誤差(MAE)で29.25kWhの予測精度向上が見られた。また,そのような予測結果が得られた原因について考察した。