抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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社会インフラ関連製品の製造において,溶接プロセスは,品質の安定化と生産性の向上が求められる重要な製造プロセスである。溶接中に溶融金属の領域(溶融池)や流動挙動を把握する各種計測技術の開発や実用化が報告されている。溶融池の内部状態を把握するには,X線や超音波による計測技術が必要となる。溶接現場への適用性を考慮すれば,装置が比較的小型で専用の設備が不要な超音波計測が適している。一方,超音波による溶融池の計測方法としては,レーザ超音波法による超音波計測と,計測した伝搬時間から溶融池形状を推定する方法が検討されている。本研究では,フェイズドアレイ超音波装置を用いた多点計測で得られた伝搬時間を比較することで,板厚の情報や温度分布に影響されず溶融池深さを評価できる手法を提案し,従来手法よりも精度よく溶融深さを評価できたので報告する。溶融値深さの計測実験では30mm厚のSUS304平板試験体の上面にガスタングステンアーク溶接機で溶融池を形成しつつ,超音波アレイセンサをトーチ直下の試験体下面に密着させて計測した。溶融池深さの評価結果を断面写真と比較すると,両者は良く一致した。溶融池の最深部では,実測で3.1mmであるのに対し,評価結果は1回目3.1mm,2回目3.2mmと高い再現性を示した。