抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本報では,東北地方における東日本大震災後の人口変化について明らかにした。特に,自然災害及び人災を起因とする住民の流出に関し,地理的特徴を明確にしようと試みた。地震,津波による死者行方不明者は岩手県,宮城県,福島県の3県に集中しており,犠牲者の多くは三陸リアス沿いで発見されたが,東日本大震災では三陸リアスのみならず,宮城や福島の砂浜を襲った津波が甚大な被害をもたらしている。福島の太平洋側(浜通り)に到達した10mの津波は福島第一原子力発電所を破壊し,前代未聞の原発災害を引き起こした。住民基本台帳のデータを利用して東北6県の移住パターンの変化を分析したところ,宮城と福島からは全年齢層において非常に多くの住民が,特に福島からは年少者とその親の世代(25歳~39歳)がかなり流出していることが分かった。また,両県ともに20代の流出数が非常に増えており,女性と子どもは男性に比べてより遠くへと移動している。これは放射線による影響と汚染を可能な限り避けようとする強い欲求の明示だと思われる。(翻訳著者抄録)