抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ネットとモバイル端末の時代を本格的に迎えた今日,小売業者はオムニチャネルへの対応に迫られている。本稿では,モバイルマーケティングの下で開発が進むモバイルアプリに期待される様々な機能について,消費者の購買意思決定プロセスに着目しながら考察していく。消費者行動を詳細に理解するための道具立てとして古くから提唱されている購買意思決定プロセスについて,近年では,事前購買段階としてZMOT(真実のゼロの瞬間),購買段階としてFMOT(真実の第1の瞬間),事後購買段階としてSMOT(真実の第2の瞬間)と称され,各段階における詳細な消費実態に再び注目が集まっている。モバイルマーケティングの登場により,とりわけ小売業者は,従来からの大きな制約条件であった店舗ロケーションから解放されることになり,積極的にモバイルマーケティングを試みようとしている。このモバイルマーケティングは,消費者の購買意思決定プロセスのあり方に大きな影響を与える可能性がある。そのプロセスの方向性やプロセスにおける各段階の重層化など,プロセスそれ自体が複雑化したものとなりうる。モバイルマーケティングを実践する小売業者はこうした影響に対して,様々なモバイルアプリの開発とオムニチャネルによる対応により備えているが,そのためには購買意思決定プロセスの詳細を把握しておかなくてはならない。本稿では,購買意思決定プロセスについて,消費者の反応モードに焦点をおきながら再考するとともに,モバイルマーケティングの主体となるモバイルアプリに着目し,購買意思決定プロセスと反応モードを基軸として,モバイルアプリに期待される機能を識別した。また,モバイルアプリが様々な情報のハブとしての役割を担っている点を明らかにした。(著者抄録)