抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ナノメートルサイズの酸化鉄は,基礎科学の観点だけでなく様々な工学的,特に生物医学への応用という見地から魅力ある物理的な特性を備えている。例えば,Fe
3O
4は素材のタイプに依存して,単一ドメイン領域において粒径が数ナノメートルまで減少すると超常磁性として動く。超常磁性は,癌の磁気的温熱療法のような生物医学の応用のための重要な特性である。本稿では,交流(AC)磁場下における磁気加熱機構に関する最近の実験的および理論的な研究の幾つかを報告する。加熱の機構は,NeelおよびBrownian緩和とヒステリシス損失に基づいて説明される。また,最近見い出されたFe
3O
4のフォトルミネセンスを報告し,電子バンド構造に基づいて発光機構を説明する。光学的特性および磁性は,粒径,分布および物理的閉じ込め効果のような物質パラメータと関係づけられることが分かった。これらのパラメータを調整することによって,光学的特性と磁性を最適化できる。酸化鉄を研究する重要な動機づけは,生物医学への応用が期待されるからである。酸化鉄ナノ粒子は,癌治療におけるMRI/光学式の多峰性イメージングおよび治療メディエーターとして利用できる。磁気的温熱および輻射熱の効果は癌細胞を殺し,腫瘍の成長を抑制するために利用できる。一旦,十分な濃度の酸化鉄ナノ粒子が腫瘍に取り入れられると,等しい応答を引き出すためにより少ない治療を要しながら,より大きな局在が散在的な投与を上回る効果を示すことが分かった。多峰性は非常に有益な同時局在を提供する。磁鉄鉱(Fe
3O
4)ナノ粒子に関して,診断と治療の同時局在が,磁場あるいはフォトンの応用による磁場に基づく画像処理および局所的な温熱発生を通じて達成されることが分かった。本稿では,Fe
3O
4ナノ粒子が,治療用分子,蛍光剤,およびターゲット配位子の絞扼ための優れた結合ベースとなることを示す。即ち,確実な腫瘍処理能力の向上が化学療法物質と局所的な温熱療法の同時加療によって達成された。Copyright 2015 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST