抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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環状期の熱帯熱マラリア原虫(P.falciparum)を有する入院マラリア患者から,直接得られた血液サンプルのRamanスペクトルを分析した。健常志願者と比較して感染患者のRamanバンド強度で観察された変化は,赤血球内部の寄生虫活性の結果である。バンド強度比の変化の評価による特定のスペクトル領域の違いの分析と,PCA分析を使用することにより,得られたスペクトルを考察した。寄生虫の侵入に起因する赤血球膜の変化は,トランス配座で配置された領域の量の低下を表す,減少したI
1130/I
1075の強度比で見える。感染した赤血球において,膜タンパク質と脂質の構造における変化の尺度であるI
2930/
I2850比は増加し,これはマラリアタンパク質の赤血球膜への移動に起因し,膜の乱れを表現する。ピロール環振動領域では,酸素化Hbのν
4バンドマーカーは1371cm
-1で見え,一方脱酸素化Hbに関連する1353cm
-1でのν
4バンドはマラリア患者に関して観察され,感染赤血球のより高い強度を特徴とする。アミドIの分析は,感染RBCにおける二次構造組成物での変更を示す。P.falciparum感染は,α-ヘリックス含有量の減少と不明確な(ランダムコイル)構造における同時の増加をもたらすことが判明した。Ramanスペクトルの変化はまた,ヘモゾイン形成プロセスの結果であることが観察された。ピロール環の伸縮振動領域では,1248cm
-1(オキシHb)に対する1220cm
-1(デオキシHb)の増加は,RBCのヘモゾイン形成の信号と考えることができる。1560cm
-1,また1570cm
-1および1552cm
-1での比較的強いバンドパターンは,寄生虫活性に応じて形成するヘモゾインによる可能性がある。医療診断試験の結果は,患者のRBCパラメータの変化を示さなかった。対照群と比較した場合,好中球と血小板数の減少に伴うWBC数のかなりの減少が認められた。赤血球の全体像において変化は観察されないが,Ramanスペクトルにおいて病理学的変化は明らかである。Copyright 2015 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST