抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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この研究では,Na
2S水和反応を利用する化学蓄熱器で,多孔性材料としての複合化学材料に着目し,太陽熱集熱に適合するように,70~100°C域での利用温度域における反応速度の向上,反応繰返し特性の向上を図った。この研究では,新しい複合化蓄熱材料の作成,および基礎的な蓄放熱実験を行い,得られた結果を報告した。初めに,蓄熱原理と反応模型を紹介した。複合材料の作成では,Na
2S・5H
2Oを取り上げた。これは融点が100°Cであり,容易に多孔性材料に含浸させる方法で複合材料の作成が可能になる。この研究では,複合化材料との比較のために,Na
2S・5H
2Oの粒状と板状の試料を用いて実験した。実験では,繰返し反応特性,反応速度の比較,蓄熱時の加熱速度の影響を調べた。研究から,SiC多孔性材料との複合化材料が,反応速度の向上に有効であることが分かった。1次反応近似の枠内で,反応速度は,複合化板状材料では粒状材料の約4倍が得られた。複合化により蓄熱材料の微粉化の影響を抑制できる可能性があり,これは繰返し特性の改善可能性につながる。蓄熱密度が高く,長時間の蓄熱に適し,材料が安価なNa
2S・5H
2Oを用いた化学蓄熱の開発が有望と考える。