抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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焼肉店などで無煙ロースターの普及が進み,無煙ロースターによる火災が多発しているので,同火災の発生過程を実験により明らかにすることを試みた。火災発生過程の可視化として透明なアクリルパイプを用いた無煙ロースターを使用して実験した。この実験は業務用無煙ロースター及びダクトを用いて行った。実験1では防火ダンパーの油脂固着状態と作動温度の関係,実験2ではダクト内部の油脂付着状態と燃焼の関係につき検証した。実験1では,汚れのない防火ダンパーを用いた場合防火ダンパーは正常に作動し,ヘッドが固着されたダンパーを使用した場合は防火ダンパーの周辺の温度は175°Cに達し,ヒューズが溶融しても防火ダンパーは作動せず,水平ダクトにまで炎が伸長しダクト内の燃焼は送排風機が停止するまで継続した。実験2ではヘッドを塗布しないダクトの場合は防火ダンパーを閉鎖するとダクト内の燃焼は停止したが,ヘッドを塗布したダクトの場合は防火ダンパーを閉鎖すると一時的に燃焼は抑制されるが,しばらくすると塗布した油に着火し,ダクト内は激しく燃焼した。これらの結果から,実験1では,防火ダンパーが正常に作動すればダクト内への炎の侵入は防止できるが,油脂等で防火ダンパーが固着しているとダクト内へ炎が進入する危険性が高まることが確認された。実験2では,内部に油脂が堆積したダクトに炎が進入すると防火ダンパーが閉鎖しても燃焼が続くことが確認された。今回の実験により無煙ロースター火災の発生過程を視覚的に確認することができた。