抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,気候変動による自然林の分布の変化を次の項目に沿って解説した。1)過去の気候変動と森林(最終氷期最盛期の森林:北海道の道北から道東地域にかけてはツンドラや疎林ツンドラ,北海道の残りの地域から東北,中部地方を中心に,中国山地,四国山地にかけては亜寒帯性針葉樹林,関東地方や新潟,能登半島以西の西日本の主要な部分は温帯性針葉樹林,関東地方沿岸域や能登半島沿岸以南の西日本の沿岸地域には温帯性針広混交林,当時九州と陸続きであった古屋久半島では暖帯性常緑広葉樹林が広がっていた,完新世の森林の変化:本州のブナ属は,約4,000年前には現在とほぼ同じ分布域に達していた),2)近年の気候変動と自然林の変化(自然林の分布変化の検出事例:北海道のアポイ岳における高山草原の減少,平が岳における山頂部の湿原の減少など,ブナ北限域における自然林の変化:北海道の渡島半島におけるブナ個体の増加,現在進行中の気候変動と森林の変化),である。長期的・短期的な森林の動きをきちんと把握および理解することが,今後の適切な森林管理には必要であることを指摘した。