文献

J-GLOBAL ID：201502207758225821   整理番号：15A0771944

線虫のコンビナトリアルケミストリー: 一次代謝由来構築ブロックのモジュール組立

Combinatorial chemistry in nematodes: modular assembly of primary metabolism-derived building blocks

著者 (2件)： VON REUSS Stephan H. (Max Planck Inst. for Chemical Ecology, Dep. of Bioorganic Chemistry, Jena, Germany. [e-mail]) ,  SCHROEDER Frank C.
資料名： Natural Product Reports  (Natural Product Reports)
巻： 32  号： 7  ページ： 994-1006  発行年： 2015年07月26日 
JST資料番号： A0176B  ISSN： 0265-0568  CODEN： NPRRDF  資料種別： 逐次刊行物 (A)
記事区分： 文献レビュー  発行国： イギリス (GBR)  言語： 英語 (EN)

抄録/ポイント： 線虫Caenorhabditis elegansは,そのゲノム配列が完全に決定された最初の動物であり,生医学的研究のための重要な代表的生命体になっている。しかし,最近の研究で,線虫生物学の実質的にあらゆる面での小分子に基づく信号伝達カスケードの重要性が明らかにされるまで,多くの他の動物モデルシステムと同様に,そのメタボロームはほとんどキャラクタライズされないままだった。これらの研究で,線虫が驚くほど熟練した化学者であることが判明した:節約された一次代謝に由来する単純な構築ブロックとモジュール組立戦略を使って,C.elegansと他の線虫種は,それらの成長と行動を制御するための複雑な分子構築物を構築する。これらの線虫由来モジュール型代謝物質(NDMMs)はジデオキシ糖類,アスカリロースまたはパラトース,に基づいたものであり,そして,それらは脂質,アミノ酸,炭水化物,クエン酸塩やヌクレオシドの代謝由来残基を取り付けるための足場として用いられる。NMR分光法とMSに基づく変異体スクリーニングと比較メタボロミクスにより,これまで,数100の異なるアスカリロース(”アスカロシド類”)と2,3のパラトース(”パラトシド類”)誘導体が明らかにされ,そして,それらの多くは,フェムトモルレベルで活性な強力な信号伝達分子であり,成長,行動,体形や多くの他の生活史特徴を調節する。異なるモジュールの組立てが非常に高い特異性で進行することから,NDMM生合成は慎重に制御されるように見える。予備生合成研究で,若干のNDMM構築ブロックの一次代謝起源が確かめられたが,それらの高度に特異的な組立ての基礎をなす反応機構は理解されていない。それらの機能および生合成起源を考慮すると,NDMMsは単に「一次」または「二次」と分類できない新種の天然産物である。線虫および他の線虫類での重要信号伝達機能に使用される一次代謝由来構造の新しい変種の同定が,ヒトを含むより高級動物での代謝の広範囲の再分析に対する強い動機を提供すると思われる。Copyright 2015 Royal Society of Chemistry All Rights reserved. Translated from English into Japanese by JST

シソーラス用語： *Caenorhabditis elegans ,  *代謝産物 ,  コンビナトリアルケミストリー ,  *グリコシド ,  単糖類 ,  構造活性相関 ,  生合成 ,  ペルオキシソーム ,  酸化 ,  位置特異性反応 ,  解析
準シソーラス用語： アスカロシド ,  パラトシド ,  *メタボローム ,  メタボロミクス

分類 (2件)： グリコシド,配糖体  (CF10057O) ,  糖質の代謝と栄養  (EJ02035H)

物質索引 (2件)： アスカリロース ,  パラトース

タイトルに関連する用語 (6件)： 線虫 ,  コンビナトリアルケミストリー ,  一次代謝 ,  構築 ,  モジュール ,  組立