抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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2013年4月28日,霧ケ峰踊場湿原周辺では火入れ(野焼き)の火が飛び火し,湿原周辺の220haが延焼で焼けた。流域の40%近くが焼けたイモリ沢では,pH,電気伝導度,総イオン濃度,Ca/K比,リン酸態リン濃度が,流域に延焼のなかった雪不知沢よりも有意に高く,また懸濁物濃度も9月初旬までは雪不知沢を上回っていた。両沢の硝酸態窒素濃度は同等で有意差はなかった。両沢でみられた水質の差異は,焼損した植物残渣,あるいは土壌有機物の無機化にともなう無機塩類の流入ではなく,地殻の物理的・化学的風化の促進によりもたらされたと考えられる。湿原内の池(アシクラ池)では,2009年に比べて,pHがわずかに高く,電気伝導度および硝酸態窒素濃度には有意差はみられなかった。クロロフィルについては2009年の測定値がないので比較はできないが,2013年のクロロフィルa濃度は最大でも14μg Chl.a/Lであり,水の華を形成するほどには上昇しなかった。アシクラ池では,水中の栄養塩,特に無機態窒素が枯渇しており,植物プランクトンの増殖は抑制されたと考えられる。今回の調査ではアシクラ池の水質に大きな変化は認められなかった。(著者抄録)