抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ポリカーボネート(PC)のポリマーアロイを例にとって相溶性の考え方,得られる構造,特性などを述べた。PCの耐熱性向上にはTgを上げる必要があり,ポリアリレート(PAR)とのアロイ化が行われている。本来両者は非相溶であるが押出混練過程でエステル交換反応を起こし単一T
gを持つポリマーになる。透明性を維持して耐熱性が向上するため,自動車ヘッドランプレンズ向けなどへの採用例がある。PCの成形加工性向上にはPCより低いT
gを持つポリマーをブレンドして完全均一相溶相を形成させている。PCをポリカプロラクトンとアロイ化すると,単一のT
gになり粘度も低下する。PC/ABS樹脂アロイやPC/ポリエステルアロイは完全相溶でなく部分相溶であるが,PCマトリックスのT
g低下に有効である。PCの耐薬品性向上策としてはPETやPBTなどの芳香族ポリエステル樹脂とのアロイ化が有効である。これらのアロイはABSアロイと同様に通常の混練条件範囲で効果が発揮できるが,エステル交換反応が進むと完全相溶になるため,押出混練,成形加工条件の制御が必要になる。耐薬品性向上には,このほかポリアミド,ポリオレフィンなどとのアロイ化も検討されている。