抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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最新の論理モデルは,運動学習が少なくとも誤差最少化と記憶衰退という2つのプロセスを含むことを提示する。新規な動作を学習している間に,動作の運動記憶が各トレーニング試行での望んだ動作と実際の動作との間の誤差を最少化するよう段階的に形成されるが,記憶は各試行毎に少しずつ忘れられる。特定の動作により訓練された誤差最小化の学習効果は,他の非訓練動作においても部分的に利用可能であるが,学習効果のこの転移は特定の論理的フレームワークにより再現可能となる。ほとんどの論理的フレームワークは,特定の動作により訓練された運動記憶が非訓練動作として訓練された動作を行っている間に同一速度で衰退すると仮定するが,最新の研究は運動記憶が非訓練動作よりも訓練された動作を行っている間により速く衰退することを報告した。すなわち,運動記憶の衰退速度は,動作または状況依存性である。運動学習が最適化フレームワーク,例えば動作の誤差最少化に基づいて成功裏にモデル化されてきたが,状況依存性記憶衰退を誘導可能な最適化のタイプは不明である。そのため,状況依存的記憶衰退は,運動学習において何が最適化されるのかという疑問を生じさせる。著者は運動の基本的フレームワークを拡張する。特に著者は,いくつかの先行研究が運動学習プロセスにおける努力最小化の存在を報告しており,そしていかなる従来の運動基本モデルもいまだ最適化を検討していないことを理由として,運動の努力最低化をこのフレームワークへ導入する。本稿で著者は,状況依存性衰退が運動努力最適化の結果であることを解析的かつ数値計算的に明らかにした。著者の解析は状況依存性衰退が単なる記憶衰退ではなく,運動学習における運動努力最適化の証拠であることを提示する。(翻訳著者抄録)