抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1。革新というのは初めは小さな種でしかないから,大きな組織(企業)では消滅しやすい。他方,小さな組織では,大きく育ち難い。日本を改革するためには,この小さな種をいかに育む社会にできるかどうかが問われている。2。野村総合研究所(NRI)では,2012年9月より「革新者プロジェクト」を進めてきた。これは,従来の発想とは異なるユニークな切り口を持ったビジネスモデルを100パターン探索し,それを実践している経営者と深く対話し,人脈化するプロジェクトである。革新者プロジェクトを通じて,革新者の生態と革新のメカニズムを把握し,それを日本社会に根付かせ,拡張する方法を探ってきた。3。ここでいう革新者とは,必ずしもハイテクベンチャーとは限らない。「革新者とは,社会課題を見据えながら常識を疑い,新しい切り口を見いだし,埋もれている潜在価値を引き出して,それを事業として創造し,やり切り,進化させ,最終的に社会に驚きや感動を生み出す人」と定義した。4。革新者たちによる事業構想のキラー・スキルとして,1)「世の中の当たり前を疑ってみる目を持つ」,2)「ニーズを探すのではなく,ウォンツを創造する」,3)「出会ったことのない価値観や世界観を求める」,4)「マイナスをプラスに逆転させる」,5)「IT,デザイン,エンターテインメントを用いて顧客の体験を変え,既存産業を変える」を抽出した。革新者たちの異質な発想と価値創造力は,日本の社会課題を解くトリガーとなる可能性を秘めている。5。日本の未来構築における一つの重要分野である「地方創生」は,事業創発が要である。これがなければ,雇用の創出も人口の再生もない。その主役は,地域内の企業家であり人材であるが,それだけでは新しい事業を創造する上での刺激が足りない。本稿では,革新者と地域の企業家や人材とを「化学反応」させ,新しい事業を生み出すことをゴールとする,混血型の事業創発の仕組み作りを紹介する。(著者抄録)