抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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Jatropha curcasは,中南米原産のトウダイグサ科の植物で,種子に約35%の脂質を含有することからバイオディーゼル燃料の原料植物として期待されている。コスト面で実用化のハードルは高いが,形質転換によって,脂質の質向上,光合成能の向上,耐乾性・耐病性の強化が図れると期待されている。本研究は,組織切片からの効率的な植物体再生技術を開発し,形質転換効率の向上を目指すものである。不定芽を基部を切除し,オーキシンとしてIAAを添加した3種類の培地で6週間培養した。得られた成育旺盛な不定芽を基部で切断し,オーキシンIBA添加の1/2MS寒天培地とホルモン無添加の1/2MS寒天培地に移植し,4週間培養した。その結果,オーキシンIBA添加の1/2MS寒天培地では,不定芽の基部に褐色のカルスが形成され,発根は全く認められず,不定芽の成長も緩慢であった。一方,ホルモン無添加の1/2MS寒天培地に移植した不定芽は,不定芽の基部と茎の側面から発根が認められ,茎の伸長,本葉の展開ともに旺盛であった。以上の結果から,次世代燃料植物Jatropha curcasの胚軸外植体からの植物体再生プロトコルを確立した。外植体あたりの形質転換効率は,従来法の2.8%に対し,新プロトコル法は24.1%で8.6倍と大幅な向上が認められ,効率的な形質転換技術が確立された。