抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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山岳遭難の発生要因の1つである低体温症は,人体外側への適正な衣服の着用によって予防・処置できる。高所環境では人体の生理反応と体表からの熱・水分移動が平地と異なることを踏まえて,高所環境で着用する安全な衣服について考えた。まず,低温と低圧環境における生理・心理反応に関し,皮膚温,体温,体表からの熱放散,寒さに対する主観評価,作業能への影響,体表からの蒸散について解説した。ついで,衣服の熱・水分移動に関し,低温環境での水分移動,衣服内での結露,高所環境での衣服について解説した。低温・低圧環境では皮膚血管収縮が抑制され,低温下でも高い皮膚温を示す。低圧な環境では対流熱抵抗が増加することで体表からの放熱が抑制され,皮膚温と気温の温度差ほどに体温は低下せず,寒さも強く感じない。高い保温性が求められるものの,適正な保温力をもつ衣服,結露を発生しないよう吸湿性の高い衣服を着用するなどして衣服中の水分移動を調節する工夫が必要となる,と述べた。